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骨粗鬆症

骨粗鬆症外来

骨粗鬆(こつそしょう)症とは?

骨粗鬆症とは「骨の強度が低下することで骨折しやすくなる全身の病気」です。
年齢を重ねても、わたしたちの骨は「古い骨を壊して溶かす」「常に新しい骨を作る」新陳代謝を繰り返しています。
骨粗鬆症では、この骨の新陳代謝のバランスが崩れてしまい、骨が弱くなっていきます。
現在、日本国内には1600万人の骨粗鬆症患者がいると推定されていますが、実際に治療を受けている人は約140万人(厚生労働省「患者調査(2023年)」)。牛乳や小魚、サプリを摂れば大丈夫、と軽視されがちな病気です。

どうして女性に多いのか?

骨粗鬆症を発症する患者の80%は女性で、特に閉経後の女性に多くみられます。
これはライフステージによる女性ホルモン(エストロゲン)の量の推移が大きく影響しています。
エストロゲンには、骨の新陳代謝のバランスを調整する働きがあります。
閉経して、エストロゲンの分泌量が減少すると骨を壊して溶かすスピードが速まり、新しい骨を作る新陳代謝が間に合わず、骨がもろくなり始めます。
50代の女性9人に1人、60代の女性の3人に1人、70代の女性2人に1人が骨粗鬆症であるといわれています。

若ければ大丈夫?

骨は20歳までには形成され、以降はあまり変わらないということがわかってきています。
骨粗鬆症は高齢者特有の病気と思われがちですが、現代日本の生活習慣(食の欧米化、運動不足、喫煙)や過度な偏食、無理なダイエットの影響により、若年層であっても骨粗鬆症のリスクが高まっており、妊娠、出産、授乳中の期間に背骨が骨折する骨粗鬆症も問題視されています。

骨粗鬆症治療の重要性

骨粗鬆症は見た目ではわかりづらい病気で、ほとんどの場合、なんの痛みも自覚症状もありません。
しかし、骨の中は「す」が入ったようにスカスカになり、ちょっとした転倒や軽い外傷で簡単に骨折してしまいます。
骨粗鬆症により骨折しやすい部位は、背骨(胸椎、腰椎の椎体骨折・圧迫骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頸部骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)です。
要介護になる原因の第3位が「骨折」といわれています。
特に背骨や大腿骨を骨折してしまうと、そのまま寝たきりに繋がることがあります。
高齢者の方は、「歳だからしょうがない」、「今更治療しても意味がない」と思われがちですが、最近のデータでは骨粗鬆症の治療をすることによって、骨折のリスクが減少することが証明されています。
骨折予防、骨粗鬆症予防は健康で長生きするための最新の課題と考えられています。

骨粗鬆症リスクをチェックしよう

骨粗鬆症は早期発見が重要です。当てはまる方には検査をお勧めします。

  • 身長が2㎝以上低下した
  • 背中が丸い、腰が曲がっている
  • カルシウム(乳製品)が摂取できない
  • 内臓疾患がある(甲状腺、腎臓、肝臓)
  • 行政の骨密度検診で精密検査または経過観察を指摘された
  • 背骨の骨折(椎体骨折、圧迫骨折)歴がある
  • 治療でステロイドホルモンを使用中、過去にステロイドホルモン治療を受けたことがある
  • 卵巣を摘出した
  • 閉経が早かった
  • 両親に骨折歴がある
  • たばこを吸っている
  • 飲酒量が多い
  • 骨の量が気になる

検査方法

骨粗鬆症の診断には骨密度測定が欠かせない検査です。
当院では、背骨と大腿骨で正確に骨密度の測定、診断ができるDXA検査装置を導入しています。
X線を利用して骨量を測定する検査で痛みはなく、被ばく量も胸部レントゲン検査の約1/5程度です。
手首やかかとで測定するよりも、より信頼性の高い測定結果が得られます。
骨の新陳代謝などを調べるために尿検査、血液検査も併せて行います。

診断

骨粗鬆症の診断基準

① 大腿骨近位部または背骨(胸椎・腰椎)の骨折を生じた場合
② 骨折歴が無い場合、骨密度測定の結果が若年成人平均(YAM値)の70%以下
詳細については診察時にお尋ねください。

治療方法

骨粗鬆症の発症には、老化やエストロゲンの減少以外にも生活習慣が関与しています。
骨粗鬆症は骨の生活習慣病とも言えるため、食事療法、運動療法も骨粗鬆症の予防と改善には大切な治療となります。

(1)食事療法

骨粗鬆症の治療や予防に必要な栄養素は、カルシウムの他に骨の新陳代謝に必要なビタミンDやビタミンKなどです。
食べてはいけない食品はありませんが、お酒やカフェイン、リン(スナック菓子や肉加工品、インスタント食品)は、カルシウムの吸収を妨げたり、尿からのカルシウムの排泄を増やしたり、骨からカルシウムを溶け出させたりと、骨密度の減少に影響します。
日本人の2人に1人はビタミンDが不足しているといわれています。当院では血液検査でビタミンDが不足していないか確認しています。

(2)運動療法

運動療法は
① 筋肉を鍛えることでしっかり身体を支える
② バランス筋力を維持し、転倒を防止する
ために重要です。
骨は、運動をして体重負荷をかけることで丈夫になりますが、激しい運動をする必要はありません。
自分に合った運動方法に悩む場合は、理学療法士等による運動指導も受けられます。
診察時に医師にご相談ください。

(3)薬物療法

近年、骨粗鬆症治療薬は種類が豊富になり、骨粗鬆症の度合い、ライフスタイルに合わせて内服薬、注射、点滴で治療を行っています。
薬は大きく分けて3種類あります。
① 骨を作りながら壊れるのを防ぐ薬(皮下注射)
② 骨を作る薬(皮下注射)
③  骨を壊れにくくする薬(内服、皮下注射、静脈注射、点滴静注注射)
毎日服用する錠剤から、6ヶ月に1回注射、年一回点滴をする方法まであります。
骨粗鬆症治療の最大の目的は、骨折を防ぐことです。
そのためにお薬を上手に使い、治療を継続していくことが大切です。

赤羽整形リウマチクリニックの診療体制

当院では、3名の医師全員が整形外科専門医で骨粗鬆症治療の専門家でもあります。
また、5名のスタッフが日本骨粗鬆症学会の「骨粗鬆症マネージャー」(骨粗鬆症に関する確かな知識を持つメディカルスタッフを専門スタッフとして認定する制度)を取得しました。
加えて、看護師、放射線技師、理学療法士、受付スタッフが定期的に骨粗鬆症の勉強会に参加しています。
多職種が連携して、骨粗鬆症の予防と改善、骨折防止の取り組みを行っています。

赤羽整形リウマチクリニックの治療の特徴

骨粗鬆症は長く付き合っていく必要がある病気です。
当院では、自覚症状に変化が無いからと漫然と同じ薬を処方し続けるのではなく、定期的に骨密度測定、尿検査、血液検査を行い、症状の推移を見極めて効果的で適切な治療に努めています。

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